「いい人がいたら採りたい」を、そろそろやめてみる。
求人を出して、応募を待つ。……でも、全然来ない。来ても「なんか違う」。やっと採れたと思ったら、半年で辞めちゃった。そんな採用の悩み、実は「やり方」より前に「考え方」でつまずいてることが多いんです。今回は、人手も予算も限られた中小企業こそ知っておきたい、「欲しい人をちゃんと採るための考え方」の話。気楽にどうぞ。
採用って、いつの間にか「選ばれる側」になってた
昔は、求人広告を出せばそれなりに人が来た。会社が「選ぶ側」だったんですよね。でも今は、働く人そのものが減っていて、完全に「売り手市場」が当たり前。会社のほうが、候補者から「選ばれる側」になっちゃったんです。
しかも、働く人の価値観も変わってる。転職はもう「キャリアアップのふつうの選択肢」だし、会社を選ぶときに見てるのは給料や待遇だけじゃない。やりがい、成長できるか、人間関係、ワークライフバランス、社会の役に立ってる感じ。そういうところまで、ちゃんと見られてます。
あと、SNSや口コミサイトのおかげで、会社の評判は一瞬で広がる。一度「あそこブラックらしいよ」って噂が立ったら、採用はもうかなり厳しい。怖いですよね……。
だから、「とりあえず求人出して待つ」はもう通用しない。会社の目標や事業計画とちゃんとつなげて、
「どんな人を」「いつまでに」「何人」「どうやって」採るのか
を先に決めておく。これがいわゆる「採用戦略」です。
採用戦略って、結局なに?
「戦略」って言うと大げさに聞こえるけど、要は「行き当たりばったりじゃなく、計画的に採用しようね」ってこと。中身は、だいたいこの6つです。
- 採用の目標を決める(いつまでに、どのポジションで、何人)
- 欲しい人物像(ペルソナ)を決める
- 自分たちの魅力を言葉にして、発信する
- どこで探すか(採用チャネル)を決める
- 選考の進め方を設計する
- 結果を測って、直す
これがないとどうなるかというと……
- 入ってみたら「なんか違う」で、すぐ辞めちゃう
- 採用にかかるお金がどんどん膨らむ
- 面接官ごとに見てるところがバラバラで、手間ばかり増える
- いい候補者を他社に持っていかれる
- 事業に必要な人がそろわず、成長が止まる
……どれも、ちょっと身に覚えがありそうじゃないですか?
ちなみに、「採用にいくらかけられるのか」も最初にはっきりさせておくのが大事。予算が見えてると、どんな人を狙うかも、どの手法を使うかも、ずっと決めやすくなります。採用目標は、このあと全部の「地図」になるわけです。
中小企業こそ、戦略がいる
正直、中小企業の採用は不利な条件がそろいがちです。
- 名前を知られてなくて、そもそも見つけてもらえない
- 採用に使えるお金が限られてる
- 人事の専任がいない、または兼務で手が回らない
- 給料や待遇で大手と同じ土俵に乗るのはしんどい
だからこそ、戦略が効くんですよね。ちゃんと考えて採用すると……
- 採用がうまくいく確率が上がる
- お金の使い方にムダがなくなる
- 採用を考える中で、自分たちの強みや課題に気づける
- 現場の社員も巻き込んで、社内がちょっと盛り上がる
- 事業に必要な人を計画的にそろえられて、会社が伸び続けられる
ポイントは、限られた力をどこに使うか。「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを絞り込んで、そこに集中する。全部やろうとしないのが、弱者の勝ち方です。
欲しい人を採るための、6つのステップ
じゃあ具体的に何をすればいいのか。順番に見ていきましょう。
ステップ1:「どんな人が欲しいのか」を、とことん具体的にする
「やる気のある人」「コミュニケーション力のある人」……って、たぶんどの会社も書いてますよね(笑)。これだと、誰にも刺さらない。
まずは、その仕事に必要なスキルや経験、知識、資格を具体的に書き出す。たとえばWebマーケの担当者なら、こんな感じ。
- SEOの実務経験3年以上
- Googleアナリティクスで分析ができる
- コンテンツマーケティングを企画から実行までやったことがある
で、スキルだけじゃなくて、「チームワークを大事にする」みたいな価値観や、協調性・主体性といった性格、この先どうなりたいかというキャリアの希望まで考えておく。ここまで解像度を上げると、求人のメッセージも面接で見るところも、自然とブレなくなる。結果、入ってからの「こんなはずじゃなかった」が減るんです。
ステップ2:自分たちの魅力を、言葉にする
「うちには特にアピールするところなんて……」って言う会社、本当に多いんですよ。でも、だいたいあるんです。自分たちでは「当たり前」になってて気づいてないだけで。
働く人が会社を選ぶときに見てるのは、だいたいこの6つ。この切り口で棚卸ししてみると、意外と出てきます。
- 事業・仕事の魅力:社会の役に立ってる感じ、やりがい、ビジョンやミッション、やりたいことができるか
- 社風・文化:どんな雰囲気か、何を大事にしてるか、風通しの良さ、いろんな働き方への理解
- 一緒に働く人:どんな人が多いか、社長や上司の人柄、「こうなりたい」と思える先輩、チームの空気
- 待遇・福利厚生:給料、評価のわかりやすさ、福利厚生、ワークライフバランス
- 成長・キャリア:身につくスキル、研修、キャリアの道筋、成長できる環境
- 安定性・将来性:経営の状態、事業の伸びしろ、業界での立ち位置、変化への柔軟さ
大事なのは、6つ全部で勝つ必要はまったくないってこと。狙ってる人に刺さるところを、重点的に推せばいいんです。成長したい若手には「成長・キャリア」を、安定して働きたい人には「安定性」や「待遇」を。相手によって、見せる顔を変えていい。
ステップ3:どこで探すかを決める
人を探す方法って、今は本当にいろいろあります。ざっくり特徴を並べるとこんな感じ。
- 求人サイト:総合型、専門特化型、求人検索エンジンなど。たくさんの人に届くけど、ライバルも多い。
- 人材紹介(エージェント):成功報酬型が多くて手間は減るけど、紹介料はかかる。経験豊富なハイクラス層に強め。
- スカウト(ダイレクトリクルーティング):欲しい人に直接声をかけられる。ただし、探すのもスカウト文を書くのもそれなりに大変。
- 社員紹介(リファラル採用):会社のことをよくわかってる人が来やすく、コストも低め。ただ、社員さんの協力次第。
- 自社の採用サイト・SNS:魅力を自由に表現できる。でも、見に来てもらう工夫は必要。
- ハローワーク:無料で、地元での採用に強い。若い人や専門職はちょっと苦手。
選び方のコツは、「狙ってる人が普段どこで情報を集めてるか」に合わせること。たとえば若手エンジニアを採りたいなら、技術系のイベント、エンジニア向けの求人サイト、技術ブログあたりが近道。ひとつに絞らず、組み合わせるのもアリです。
ステップ4:「働いてみたい」と思わせる求人を書く
求人票って、つい募集要項を並べるだけになりがち。でも本当は、狙ってる人に向けた「ラブレター」なんですよね。
たとえばこんな工夫があります。
- 「こんなあなたを待ってます」と、直接呼びかける
- 会社のミッションや、その仕事の意味をストーリーで語る
- 入るとどんないいことがあるかを、具体的に書く
- 残業は? 社風は? 入ってからのギャップは?……みたいな「聞きづらいけど気になること」に、先回りして答えておく
仕事内容も、使うツールや実際の動き、一日の流れ、プロジェクトの例まで書くと、ずっとイメージが湧く。職場の雰囲気も、チームの構成、オフィスの写真や動画、リモートワークの状況、社員インタビューなんかで伝えると、「ここで働く自分」を想像してもらいやすくなります。
ステップ5:選考も、ちゃんと設計する
まず大事なのが、評価の物差しを揃えること。ペルソナをもとに、スキル、価値観、伸びしろ、向き不向きなど、何を見るかを決めておく。
たとえば「主体性」を見たいなら、「指示待ちじゃなく、自分で課題を見つけて動いた具体的な話ができるか」みたいに。この物差しを面接官みんなで共有しておかないと、「あの人は甘い」「この人は厳しい」で結果がバラついちゃう。質問と評価の基準を先に決めておく「構造化面接」も、おすすめです。
もうひとつが、候補者にとっての「体験」。面接って、会社が候補者を見てるのと同じくらい、候補者も会社を見てるんですよね。
- 連絡は早く、丁寧に(返事が遅いだけで、気持ちはけっこう冷める)
- 上から目線にならず、お互いを知る「対話」にする
- 選考の流れやかかる時間を、先に伝えておく
- 不採用の人にも、ちょっとしたフィードバックを(これだけで会社の印象がかなり変わることも)
ステップ6:内定を出してからが、本番
売り手市場の今、いい人ほど何社も内定を持ってます。だから「内定出した、よし終わり!」じゃないんですよね。
内定の連絡は、電話やメールだけじゃなく、できれば対面かオンラインで。「なぜあなたに来てほしいのか」「何を期待してるのか」を、ちゃんと自分の言葉で伝える。
返事を待つ間も、放っておかない。現場の社員と話す機会を作ったり、社内イベントに誘ったり、会社やチームの様子を伝えたり、入社手続きを丁寧に案内したり。
「オファー面談」も大事な場面です。給料や待遇だけじゃなく、仕事内容、キャリアの道筋、期待してる役割を丁寧に説明する。そして、相手の不安や疑問を率直に聞き出して、必要なら条件も相談する。
内定はゴールじゃなくて、新しい関係のスタート。ここ、意外と見落とされがちです。
採用も、数字で振り返る
広告と同じで、採用も「やりっぱなし」が一番もったいない。ちゃんと数字で見ると、どこで詰まってるかが一発でわかります。見ておきたい数字(KPI)は、たとえばこんなもの。
- 応募数(どのチャネルから何人来たか)
- 書類選考の通過率
- 面接の通過率(一次、二次……と段階ごとに)
- 内定を受けてくれた率(内定承諾率)
- 一人採るのにかかったお金(広告費、紹介料、担当者の人件費など)
- 目標に対して何人採れたか(採用充足率)
- 入社後、たとえば1年後に何人残ってるか(定着率)
たとえば、「応募はいっぱい来るのに、書類でほとんど落ちちゃう」なら、狙ってない人からの応募が多いってこと。求人の書き方か、探してる場所を見直したほうがいいかも。「内定を出しても断られちゃう」なら、選考中の対応か、内定後のフォローが怪しい。数字って、ちゃんとヒントをくれるんですよね。
あとはおなじみのPDCAを回すだけ。
- Plan:採用目標と、見る数字を決める
- Do:計画どおりやってみる
- Check:数字を測って、詰まってるところを見つける
- Action:原因を考えて、直してみる
採用の状況なんて、半年もあれば変わります。だから、測って直すをずっと続ける。地味だけど、これが一番「採用に強い会社」に近づく方法です。
さいごに。採用は、会社の未来をつくる仕事
採用って、つい「人が足りないから埋める」仕事だと思いがち。でも本当は、会社のやりたいことを実現して、事業を伸ばしていくための、けっこう大きな経営のテーマなんですよね。誰が入ってくるかで、社風も、強さも、将来も変わっていく。変化の速い今の時代は、なおさらです。
だからこそ、「いい人がいたら採りたいなぁ」と待つのや、「去年もこうだったから」は、そろそろ卒業したい。やることは、結局この5つです。
- 欲しい人をはっきりさせる
- 自分たちの魅力を客観的に見つけて、自信を持って伝える
- 相手に刺さるメッセージを、ちゃんと届く場所で出す
- 候補者一人ひとりに、まっすぐ向き合う
- 結果を数字で確かめて、直し続ける
そして、採用戦略は一回作って終わりじゃない。市場も会社も変わっていくので、そのたびに見直していくものです。
とはいえ、「頭ではわかったけど、何から手をつければいいの……?」ってなるのも、すごく自然なこと。そんなときは、外の力を借りるのも全然アリです。
知名度が低くても、いい人が集まる秘訣、教えます!
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