実例で学ぶGoogleアナリティクスの使い方:ボトルネックの発見から改善まで
Googleアナリティクスでコンバージョン数(CV)を確認しているけれど、数字が伸び悩んでいる。どこを改善すればいいのかわからない……」
「サイトリニューアルを予定しているが、コンバージョン数(CV)を増やすためにデザインやコンテンツをどのように変えればよいのかわからない……」
Webサイトの運営をしていて、そんな悩みに直面していませんか?
Googleアナリティクスを使ってコンバージョンのボトルネック(CVの阻害要因)を分析するには、標準レポートを見るだけでは不十分なことが多く、「探索」機能を駆使する必要があります。以下に、ボトルネックを特定するための具体的な分析手順と視点を5つのステップで解説します。参考までに当社サイトのデータで分析してみた結果もご紹介します。
【目次】
- ファネルデータ探索で「最大の離脱点」を見つける
- 「内訳(セグメント)」で要因を細分化する
- 経路データ探索で「迷子」の動きを追う
- ページごとのエンゲージメントを確認する
- コンバージョンに至らなかったユーザーの比較
- まとめ:分析から改善へのアクション例
- 最後に(お役立ち資料・レポートのご紹介)
1. ファネルデータ探索で「最大の離脱点」を見つける
これが最も重要で基本となる分析です。ユーザーがコンバージョンに至るまでの「理想的なステップ」を定義し、どこで離脱しているかを可視化します。
- 手法: [探索] > [ファネルデータ探索] を選択します。
- 設定: ステップを定義します(例:セッション開始 > 商品閲覧 > カート追加 > 決済開始 > 購入完了)。
- 分析のポイント:
- 脱落率(放棄率): どのステップ間の移動でグラフが急激に細くなっているかを確認します。例えば、「カート追加」から「決済開始」の間で80%が離脱しているなら、カゴ落ち対策が最優先課題です。
- 経過時間: ステップ間の移動にかかった時間を見ます。異常に長い場合、迷っている可能性があります。
【当社サイトでファネルデータ探索データを分析してみた結果】

「ファネルデータ探索」の場合、初回訪問>再訪(30日以内)>お問合せフォーム訪問>お問合せ完了というステップを設定して、ユーザーがどこで離脱しているのかを可視化してみました。
「再訪」から「お問合せフォーム訪問」の間で見事にほとんどのユーザーが離脱していますね(笑)

2. 「内訳(セグメント)」で要因を細分化する
全体の数字だけを見ていては原因が見えません。ファネルデータ探索のステップの「内訳(セグメント)」をチェックすることで、特定の属性で離脱率が高くないかを確認します。
- チェックすべき内訳(セグメント):
- デバイス: モバイルの離脱率がデスクトップより極端に高ければ、スマホサイトのUI(入力フォームの使いにくさ等)に問題がある可能性があります。
- ブラウザ/OS: 特定のブラウザ(例:Safariのみ)やOSで離脱が多い場合、技術的なバグや表示崩れが疑われます。
- トラフィックソース: 特定の広告媒体からのユーザーだけ離脱が多い場合、広告の訴求とLP(ランディングページ)の内容にミスマッチがある可能性があります。
【当社サイトでファネルデータ探索の内訳を分析してみた結果】

「ファネルデータ探索」の各ステップを「流入元(トラフィックソース)」ごとにチェックしてみました。
「お問合せ完了」まで到達しているユーザーの中では、「Direct」の数が最も多く(21人)、完了率も比較的高い(0.2%)です。当社の場合、「Direct」は営業が名刺交換させて頂いた方や、セミナー等に参加いただいた方へ配信しているメルマガ経由のユーザーとなっています。これまでの営業活動の成果で、既に当社のことをよく知っている方々なのでパフォーマンスが高くなっています。
しかし、2番目にお問合せ完了ユーザー数が多い(11人)「Organic Search」は、完了率が極端に低い(0.1%未満)です。「Organic Search」は自然検索ユーザーですが、ブログ記事ページが入り口になって訪問される方が多く、まだ具体的にどこかに相談したいと思っていない場合がほとんど。いわゆる「読み逃げ」状態なので、ブログ記事読了後に「資料ダウンロード」などを提案して、メールアドレスを獲得したいですね。メールアドレスが手に入ればメルマガ配信できるので、誰かに相談したくなった際に当社のことを思い出してもらいやすくなるはずです。
また、一時期SNS広告を配信していたので「Paid Social」という項目がありますが、見事にCVはゼロでした。今の当社にはそぐわない投資でした。。。

3. 経路データ探索で「迷子」の動きを追う
ユーザーは必ずしも想定通りのルートを通るとは限りません。「経路データ探索」を使って、実際のユーザーの動きを追跡します。
- 手法: [探索] > [経路データ探索] を選択します。
- 逆引き分析(おすすめ):
- 「終点」をコンバージョンイベント(例:purchase)に設定し、「そこに至る直前にどこにいたか」を遡ります。
- 逆に、離脱が多いページを起点にして、「離脱した人は次にどこへ行ったか」を見ます。
- 分析のポイント:
- 本来進むべきページではなく、「よくある質問」や「配送ポリシー」へ移動している場合、ユーザーは不安を感じています。
- トップページに戻っている場合、ナビゲーションがわかりにくい可能性があります。
【当社サイトで経路データ探索を分析してみた結果】
「経路データ探索」で調べてみたところ、採用ページ経由でフォームに到達したユーザーが100名以上存在していました。学生などの求職者が誤ってお問合せフォームを開き、離脱している可能性が高いです。採用窓口フォームを別途用意して、求職者のお問合せフォーム迷入を無くさないといけませんね。

4. ページごとのエンゲージメントを確認する
特定の重要ページやランディングページがボトルネックになっていないかを確認します。
- 手法: [探索] > [自由形式]を選択し、「全ユーザー」「フォーム到達ユーザー」「フォーム完了ユーザー」ごとに、ページごとの閲覧ページ数や滞在時間などをチェックします。
- 分析のポイント:
- 滞在時間: 極端に短い場合、ファーストビューで期待外れだと思われています。
- スクロール率: コンバージョンボタンがある位置までスクロールされているかを確認します。
- イベント数: ボタンクリックなどの重要イベントが、ページビュー数に対してどれくらい発生しているか(CTR)を見ます。
【当社サイトでページごとのエンゲージメントを分析してみた結果】
お問合せフォーム到達後の離脱率が84.09%もありました。この要因として、求職者の迷入の他に、「フォーム入力の面倒臭さ」もあると思われます。無料相談の申込であるにもかかわらず、「住所」が必須項目となっている点や、入力項目の多さがユーザーにウザいと思われているのかもしれません。フォームの入力項目を改修することでCV率が2倍以上になることも珍しくありませんので、対策をするとしたらここからのようです。

5. コンバージョンに至らなかったユーザーの比較
「コンバージョンしたユーザー(CVユーザー)」と「しなかったユーザー(非CVユーザー)」の行動の違いを比較します。
- 手法: [探索] > [自由形式] を選択し、「CVユーザー」と「非CVユーザー」ごとに、ページごとの閲覧ページ数や滞在時間などをチェックします。
- 分析のポイント:
- 閲覧ページ数や滞在時間の違い: 例えば「CVユーザーは平均5ページ見ているのに、非CVは1ページしか見ていない」「CVユーザーの滞在時間は50秒以上なのに、非CVユーザーは30秒未満」といった違いが見られるなら、サイト内を回遊させる仕組み等が不足しています。
- 検索機能の利用: 「サイト内検索」を使ったユーザーのCV率が高いなら、検索窓を目立たせることが改善策になります。
【当社サイトでCVユーザーと非CVユーザーを分析してみた結果】
コンバージョンに至らなかったユーザー(非CVユーザー)の平均滞在時間が49.19秒で、コンバージョンユーザー(CVユーザー)の40.04秒を上回っていました。これは、多くのユーザーがコンテンツを熟読しているものの、そこから次のアクションへの動機付けがなされていない「読み逃げ」状態にあることを示しています。「2.内訳(セグメント)」分析の対策と同じく、「資料ダウンロード」などを提案して、メールアドレスを獲得しないといけませんね。

6.まとめ:分析から改善へのアクション例
分析で発見したボトルネックに対して、下記のように仮説を立て、対策を実施します。
| 分析で発見したボトルネック | 考えられる仮説 | 次のアクション案 |
| スマホのみ「カート」での離脱が多い | 入力フォームがスマホで使いにくい、またはエラーが出る。 | 実機で操作テストを行う。EFO(入力フォーム最適化)ツールを導入する。 |
| 特定の商品ページで直帰率が高い | 広告の画像と商品詳細のイメージが違う。価格が表示されていない。 | 広告クリエイティブとLPの整合性を見直す。ヒートマップで熟読エリアを確認する。 |
| 決済直前で「送料」ページへ遷移している | 送料がいくらかわからず不安になり、確認しに行っている。 | カート画面や商品ページで「あと〇〇円で送料無料」や送料目安を明記する。 |
【当社サイトの分析から改善へのアクション】
1 即効施策:EFO (フォーム最適化)
- 「住所」項目の削除(任意化)
- 入力項目の半減
- 目的:CVRの即時向上
2 育成施策:リードナーチャリング
- 高滞在記事への「ホワイトペーパー(資料DL)」設置
- 再訪者へのポップアップバナー表示
- 目的:情報収集層のリスト化
3 整理施策:トラフィックの適正化
- 成果ゼロのSNS広告の停止・見直し
- 採用/営業のお問合せ窓口の明確な分離

7. 最後に(お役立ち資料・レポートのご紹介)
上記でご紹介したGoogleアナリティクス「探索」機能の使い方資料(画面キャプチャ付き)を作成しました。ご自身で分析したい場合は、以下のボタンからダウンロードしてご活用ください。
また、当社に分析と対策提案をご依頼されたい方のために、月間3社様まで無料で、「WEBサイト分析・対策レポート」を作成させて頂きます。下記のボタンから、ご相談内容に「WEBサイト分析・対策レポート希望」とご記入いただきお申込ください。
※レポート作成には、GoogleアナリティクスでCVデータが正しく計測されている必要があります。
【参考】当社の「WEBサイト分析・対策レポート」は↓↓↓こんな感じです。