売れないネットショップの見直すべきポイントと対策のコツ
2020年から2023年にかけてコロナ禍の影響もあり、ネットショップを始めた企業が北陸(石川県・富山県・福井県)でも急速に増えました。ただし、上手く売上を上げられているのはほんの一握りで、「せっかくお金をかけてネットショップを作ったのに、売上が上がらない」「ネットショップを作成すれば、全国から注文が殺到すると思ったのに・・・」と悩んでおられる方も多いでしょう。
当社でもクライアント様から「新しくECサイトを作成したい」「数年前に作って管理せずにほったらかしの通販ECサイトの売上を上げたい」というご相談を多くいただき、試行錯誤しながらネットショップで売上を上げるためのノウハウを蓄積してきました。そこで、この記事では初心者の方向けに、実体験をもとに学んだ「ネットショップが売れない理由と売上を改善するポイント(食品通販ECサイト篇)」を共有したいと思います。
【目次】
- 売れないネットショップのどこに問題があるのか確認してみよう
- 「買う気のある人を集客できていない」なら
- 「来店しても買ってもらえない」「買う気のある人を逃している」なら
- 「購入者一人あたりの購入金額が小さい(リピートしてもらえない、単価が安い)」なら
- 最後に
売れないネットショップのどこに問題があるのか確認してみよう
売れないネットショップには必ず何か理由があります。そして、ネットショップがどのような問題を抱えているのかによって、対策が異なります。ネットショップが売れないと感じているとしたら、次のうちどの問題が起こっているのか確認してみてください。
売れない理由① 「買う気のある人が来店していない」
売れない理由② 「来店しても購入してもらえない」
売れない理由③ 「購入者一人あたりの購入金額が小さい(リピートしてもらえない、単価が安い)」
あなたのネットショップの問題点は①~③のどこにあると思いますか?
この記事を読んでおられる方の中には「全部当てはまるよ。どうしよう・・・。」と思っておられる方もいらっしゃると思います。でも心配いりません。
ネットショップの売上は①②③の要素の掛け算です。
売上 = ①集客数 × ②購入率 × ③顧客単価
①②③のどれか1つでも改善できれば、売上は掛け算で改善されます。すべてを一気に対策するのではなく、1つ1つ着実に対策していけばよいのです。
「でも具体的に何から対策していけばよいのやら・・・」と思われたそこのアナタ。
そんな迷えるアナタを正しく導いてくれる便利なツールがあります。
そのツールとは、ズバリ「Googleアナリティクス」。
Webサイトのアクセス数、よく見られているページ、ユーザーがどこからやって来るのかなどを確認できるGoogleが提供している無料ツールです。このツールをキチンと活用できればネットショップに来店しているお客様を理解しやすくなり、改善対策ポイントが見えてくるはずです。
特に「売れない理由」を突き止めるためには、下記の指標を確認するとよいでしょう。
【①「買う気のある人を集客できているか?」を確認するための指標】
・セッション数
∟ユーザーの累計閲覧回数/来店者数が少ないとそもそも買う気のある人が少ない状態
・直帰率
∟1ページだけ見て離脱したユーザーの割合/割合が高いなら関心が低い人しか集客できていない
・平均ページビュー
∟ユーザー1訪問あたりの平均閲覧ページ数/閲覧ページ数が少ないなら関心が低い人しか集客できていない
・平均滞在時間
∟ユーザー1訪問あたりの平均滞在時間/滞在時間が短いなら関心が低い人しか集客できていない
・新規ユーザー数とリピートユーザー数
∟新規ユーザーを多くても、リピートユーザー数が極端に少なければ関心のあるユーザーを集客できていない
・買い物かご到達率
∟買い物かごまで到達したユーザーの割合/買い物かごまで到達しないユーザーばかりだと売上に繋がらない
【②「買う気のある人を逃していないか?」を確認するための指標】
・買い物かご離脱率
∟離脱率が高ければ、買い物かごの使い勝手や動作に問題があるはず
・コンバージョン率(購入率)
∟訪問者数が多くても購入率が低ければ売上に繋がらない
【③「いくらで買う人が多いのか?常連客はいるか?」を確認するための指標】
・平均購入単価
∟もっと購入単価を上げられる余地はないか?
・1人あたりの年間購入回数
∟もっとリピート客を増やせないか?
上記の各指標を確認することで、ネットショップの状態が把握できます。
各指標において、他サイトや過去と比較してあまり良くない数値が確認できれば、そこが改善対策ポイントになってきます。(※他サイトの数値は分からないと思いますので、数多くのECサイトの数値を見ている方に聞いてみてください。もちろん当社に聞いていただいても結構です!)
「買う気のある人を集客できていない」なら
「ネットショップさえオープンすれば、全国から自然にお客様がたくさんやってくるだろう」と思いがちです。しかし、世の中の人はあなたのネットショップができたということを知りません。知られていないネットショップは、存在しないのと同じです。
ここで多くの方が「そうか、たくさんの人にネットショップを広く知ってもらうために広告を出そう」となるのですが、ちょっと待ってください。購入見込のない人に向けて広告を出しても、何の集客効果もなくお金の無駄になってしまいます。
また、たとえ購入見込がある人に絞って広告を出しても(※性別、年齢、地域、興味関心などをターゲティングしてインターネット広告を配信するなど)、あなたのお店や商品を知らない人はほとんど見向きもしないでしょう。なぜなら「知らないお店から、よく分からない商品を買って失敗したくないない」から。
「えぇ・・・。じゃあ、どうやって集客したらいいんだよ?」という声が聞こえてきそうです。広告がダメなわけではありません。でもいきなり大きな予算をかけて失敗しては目も当てられません。まずは購入見込が高い人に優先順位をつけて、できるだけお金をかけない方法でネットショップに集客できる方法がないか考えてみてください。広告にお金をかけるのは、やることをやってからでも遅くありません。
優先度A:実店舗のお客様(最もネットショップでお買い物してくれる確率が高い)
- 店頭でメルマガ会員になってもらい、セールや新商品などを情報発信
- 店頭でSNSでフォロワーになってもらい、セールや新商品などを情報発信
- 店頭でネットショップをご案内(売場POP、レジでのお声がけ、チラシ)
- 郵送DMでネットショップをご案内
優先度B:実店舗のお客様の友人・知人
- ブログやSNSで友人や知人が商品を使用しているところを見てもらう
(※紹介してくれたお客様に特典をご用意しておく)
優先度C:あなたのお店や商品を知らない人
- SNSで情報発信して集客。フォロワーを増やす活動と、つながりを維持する活動が必要。
- ブログで情報発信して検索エンジンから集客。SEO対策が重要。
- ネット広告で集客。ただし、年齢・性別・地域・興味関心などターゲティングと広告クリエイティブ次第で費用対効果が大きく変わる。
- クラウドファンディングに出品して共感してくれる購入者を募る
- マスメディアで集客。TVやラジオの情報番組で紹介してもらえるよう依頼する。新聞や雑誌の通販専用記事体広告に掲載する。
「来店しても買ってもらえない」「買う気のある人を逃している」なら
商品やサービスによって差はありますが、ネットショップのコンバージョン率(購入数÷セッション数)は一般的に1%前後になることが多いです。現状の購入率が1%に満たない場合は、何かしらの問題があると思われます。
●見づらい・使いづらいサイトになっていないか?(特にスマホで)
まず最初に考えられる問題は、サイト自体が見づらい・使いづらいということです。
特に訪問者の70%~80%はスマホユーザーですので、スマホで見た時にサイトが見づらい、使いづらいところがないかチェックしましょう。
☑ぱっと見で、欲しい商品がどこにあるのか分かりやすいか
∟カテゴリ別メニューを一覧で見せるなど情報整理がされているか
∟商品が検索できる機能が分かりやすい場所にあるか
☑ぱっと見で、店内を見て回ってみようという気になるか
∟「売れ筋から探す」「用途から探す」「お得商品企画」「お店からのおススメ」など
お客様の関心を引く接客の工夫がされているか
☑テキストは読みやすい大きさになっているか、誤字脱字はないか
☑購入ボタンが分かりやすい場所にあり、タップしやすい大きさになっているか
☑余白や行間が十分に取られていて見やすいか
☑色数が多すぎるなど、見づらくなっていないか
☑画像やメニューのリンク切れはないか
●商品が魅力的に見えているか?
次に考えられる問題は、商品が魅力的に見えていないということです。
特に食品であれば「おいしそう」と思う写真があるか、日用品ならば使用しているシーンをイメージできる写真があるかということはとても重要です。商品のパッケージや箱の写真しかないサイトでは売れるものも売れません。「自分たちでそんな写真は撮れないよ。」という場合は、プロのカメラマンに撮影を依頼しましょう。
商品を魅力的に見せる方法は写真だけではありません。食品ならアレンジレシピの紹介、日用品ならオシャレな使い方や飾り方の提案など。購入者のインスタ投稿画像やレビュー(クチコミ)も商品を魅力的に見せる方法となります。
また、売れないネットショップでは商品の情報そのものが少ない場合もよく見受けられます。こだわりのポイントやお客様が利用するメリットが分かりやすく紹介されているか、サイズはイメージできるか、カラーバリエーションは分かりやすいか、作り方や組み立て方は紹介されているか、お店の人が使ってみた感想などは紹介されているか、よくある質問Q&Aなどなど。お客様が疑問や不安に思うことがないように商品情報はできる限り多くしましょう。
●他の通販サイトでは当たり前の「支払い方法」や「配送方法の表示」があるか?
さまざまな人がネットショップで買い物をするようになると、いろいろなニーズが出てきます。その1つが決済方法です。クレジットカード決済はもちろん、amazon pay、楽天Pay、Yahoo!ウォレットなど大手ショッピングモールで使われている決済手段を自社のネットショップでも使えるようにしておきましょう。お客様は大手ショッピングモールに登録している住所やクレジットカードの情報をそのまま使えるのでとっても便利!逆にいつも使っている決済手段が使えないと、あなたのネットショップでの買い物をあきらめてしまうことが頻発して購入率が悪くなる一因となります。
配送方法の表示についても、他店では当たり前に表示していることが、あなたのショップでは表示されていないという事が無いようにしましょう。例えば、食品だと、常温・冷蔵・冷凍で送料が変わりますが、一緒に頼むとどうなるのか分かりやすくイラストで説明するなどの工夫をしましょう。
「購入者一人あたりの購入金額が小さい(リピートしてもらえない、単価が安い)」なら
一人当たりの購入金額を大きくするには様々な方法がありますが、基本的にはリピート購入者を増やすということになります。商材によってリピート購入するタイミングやシーンは変わりますので、取り扱い商材に合わせたリピート購入促進策を実施しましょう。
【リピート購入促進例】
- 初回購入の方限定で、2回目購入割引クーポンを同梱してお送りする
- メールマガジンで新商品の案内、セール・キャンペーンの案内などを定期的にお送りする(※月3~5通は送りたいです)
- ポイント制度を導入する
- 会員限定のお得なシークレットセールにお誘いする
- お得な定期購入コースをおススメする
また、一度に大量に買えば買うほどお得になるまとめ買いを促すことも顧客単価を大きくすることにつながります。
最後に
今回は、売れないネットショップの理由と解決方法をお伝えしました。
まずはあなたのネットショップがどのような問題を抱えているかを把握しましょう。
改善方法は必ずあるはずです。
もし自分たちでネットショップが抱えている問題点が分からない!問題点は分かっているが改善策が分からない!ということであれば、是非お気軽にご相談ください。